痴漢・わいせつ事件の勾留

1 勾留とは?

勾留とは、罪を犯したと疑われる人の身柄を拘束する処分をいいます。勾留には、「被疑者勾留」と「被告人勾留」があります(※被疑者とは、罪を犯したと疑われ、捜査機関によって捜査の対象とされている人。被告人とは、検察官により公訴を提起された人。)。

被疑者勾留は、罪を犯したと疑われ、かつ、罪証隠滅や逃亡のおそれがある等の理由から、捜査を進めるうえで被疑者の身柄拘束が必要な場合に、検察官の請求に基づき、裁判官が勾留状を発付して行います。被疑者勾留は、逮捕に引き続き行われるもので、勾留期間は10日間です。しかし、被疑者の身柄拘束を継続して捜査する必要があるなどやむを得ない事由がある場合には、検察官の請求により、裁判官は、被疑者の勾留をさらに10日以内の期間で延長することができます。

そのため、痴漢事件の被疑者が逮捕された後、検察官が裁判官に対して被疑者勾留の請求をした場合、被疑者は最大20日間の勾留がなされることになります。

 

被告人勾留は、裁判を進行するうえで、起訴された被告人の身柄を拘束する必要がある場合になされます。被告人勾留においても、被告人が罪を犯したと疑われ、かつ、罪証隠滅や逃亡のおそれがあるなどという理由が必要な点は、被疑者勾留の時と同様です。しかし、被告人勾留の勾留期間は2か月です。その後も、被告人が罪証隠滅するおそれがあるなど勾留の必要性が認められる限り、1か月ごとに更新することで被告人勾留を継続することができます。


2 痴漢・わいせつ事件の勾留

痴漢事件を起こし、被疑者が逮捕された場合、当初から被疑者が痴漢行為を認め、身元もしっかりしているようなケースでは、逮捕後の被疑者勾留されることなく釈放されることもあります。しかし、痴漢事件の事案の事情や地域によっても取り扱いが異なりますので、一概には言えません。

逮捕後、そのまま被疑者勾留がなされた場合、上記で述べたように、最大で20日間、警察署の留置施設などに留置されることになります。被疑者勾留の段階では、一般的に捜査の必要性が高いため、ご家族の方でも被疑者と面会することが制限されています。また、被告人勾留とは異なり、被疑者勾留では保釈の制度はなく、被疑者を保釈することはできません。

逮捕から被疑者勾留がなされてしまうと、長期の身柄拘束がなされますので、勤務先や学校などに痴漢事件のことが知られてしまう可能性が高まります。


3 勾留段階での弁護活動

痴漢事件において被疑者が逮捕・勾留された場合、弁護人は、勾留の理由や必要性がないことを裁判官に対して不服を申し立てます。この不服が認められれば、勾留の取消、勾留延長の阻止により、被疑者を釈放することができます。このように、弁護人は、被疑者の身柄解放に向けて弁護活動を行うことができます。

また、弁護人は、逮捕・勾留されている被疑者のもとへ頻繁に接見に向かいます。接見の際には被疑者に対して、取調べの対応や今後の見通しをアドバイスし、ご家族などからの伝言も伝えることができます。さらに、接見を通じて警察・検察での取調べが違法に行われていないかをチェックし、違法な取調べがあればすぐに抗議を申し入れます。

さらに、身柄解放に向けた弁護活動をするとともに、痴漢行為を認めている場合であれば、被害者の方に対する謝罪や被害弁償、示談交渉を進めていきます。仮に被害者との示談交渉がまとまらないとしても、検察官に対して不起訴処分を求める弁護活動を行います。


 

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